未翔 〜 イモムシくんの独り言 〜
- 2016/08/16
- 20:22
未翔 〜 イモムシくんの独り言 〜2007年1月27日白水祐樹 作 「翔べ翔べ」ってそんなに急かさないでくれオレはまだイモムシなんだこれからサナギになってそれから成虫の蝶になるんだそうなりゃアナタの御満足のゆくまで翔ぶからさ頼むからそんなに急かさないでくれ おい、ちょっと待ってくれオレの体を指で つまみあげないでくれ空中に放り投げないでくれ今はまだ翔べないんだからさそんなに焦らなくてもゆっくり見守っ...
ネムノキ、ヒグラシ、山の風。
- 2016/07/09
- 20:13
桜は、華やかさ。藤は、艶やかさ。ヒマワリは、明るさ。そしてネムノキは、静けさ。 ネムノキの あの「静けさ」は、他の誰にも真似できない。 山の中。小川の せせらぎ。そよ風が優しく吹く中、ネムノキは、枝を、ゆらーり、ゆらーり と上下させながら、ただ「静けさ」を守っている。 カナカナカナ、カナカナカナ…と、ヒグラシの声。そう、ネムノキに一番似合うのは、どこか高いところから響いてくる、ヒグラシの声。**********...
藤の囁き 〜或る五月晴れの日に〜
- 2016/05/01
- 22:30
『藤の囁き 〜或る五月晴れの日に〜 』 作:白水祐樹 大嫌いだった小学校その少年は、いつも下を向いて歩いていた トボトボと、みんなより遅れて登校し放課後は、逃げるように校門を駆け抜けていた 「なんで、オレは生まれてきたんだよ こんな汚ならしい世界に」地面に映る自分の影を苛立たしそうに蹴りつけて歩いていた 卒業し、中学生になっても、高校生になっても、小学校の校舎に近寄るのは避けていた やがて、異郷の街...
詩を作ってみました。『今日も きれいな青い空』
- 2014/10/06
- 23:51
第3回俳句大会にBさんが投稿して下さった俳句…。(ひとつ前のブログ記事を参照)あれを塾長アレンジ版の句に添削しよう、と試みてたんですが、どうも、しっくり来なくて。これは、俳句で表現するより、もっとふくらませて、歌の歌詞の形で表現するほうが良さそう…と考えまして、Bさんの句をヒントに、詩を作ってみました!さだまさし、あるいは吉幾三あたりが歌ったら、泣ける歌になるっちゃない!? という詩になったように感じ...